トイレのしつけがなかなかうまくいきません。
まず申し上げたいのは、迎えた子犬が完璧にトイレをマスターしているものと思い込まないようにお願いいたします。もちろん、子犬をお渡しするまでの間にトイレトレーニングは行っておりますし、一般のご家庭とは違って犬が多数いるため、先輩犬を見習ってトイレも覚えやすい状況にはあります。しかし、まだ生後2~3ヶ月という発育途上の幼い月齢であることから、“完璧”を求めることには無理があるのと同時に、新しいお宅に行き、環境ががらりと変われば、「どこでトイレすればいいんだろう?」と迷いもし、失敗もしがちになります。各ご家庭で一からトイレトレーニングをし直すというようなおつもりで対処をお願いできればと思います。
トイレの覚えが早いか遅いかは子犬の性格によっても違います。大事なのは、一に失敗をさせないこと。二に、他のしつけはともかく、トイレトレーニングに関しては叱らないこと。
ケージやサークルからいきなり広い部屋に、それも長時間出して自由にさせるのは失敗の原因となり、NGです。ほんとうはトイレを覚えていても、その場所まで間に合わず、結果的に粗相となってしまうこともあり、また、急に広い場所へ出てトイレがどこにあるのかわからなくなってしまうこともあるでしょう。本来ならば失敗せずに済むものを、逆に失敗するチャンスを作ってしまっているとも言えます。トイレトレーニングがうまくいかないという場合、このようなケースが多いのではないでしょうか。
そして、失敗に対して叱るとどうなるか。トイレを覚えるどころか、逆にトイレをすること自体がいけないことなのだと思ってしまうこともありますし、子犬の性格によってはオーナーさん自身を怖がるようになってしまうこともあり得ます。オーナーさんの顔を見ただけで緊張のあまりオシッコを漏らすようになったり、体が固まったりするようになると、トイレトレーニングが更に難しくなってしまうことでしょう。トレーニングかける時間も倍増するということです。そればかりか、子犬のその後の性格形成にも影響を与えてしまう可能性も考えられます。
ご参考までに、当犬舎がお勧めするトイレトレーニング法をご紹介します。
ステップ1:
これまで生活していた環境により近ければ、その分ストレスがかかりませんので、最初のうちは当犬舎での生活スタイルに近い環境を極力作ってあげるようにしてください。ケージ(幅約90cm×奥行約60cm×高さ約50cm)の中の片側にはベッドを置き、残った部分にはトイレシーツ2~3枚程度を敷き詰めます。可愛さのあまり、自由に遊ばせたいところですが、そこはぐっと我慢。少なくとも1週間程度はケージの中で過ごさせるようにします。シートの上でちゃんとトイレができたら、もちろんたくさん褒めてあげてください。
ステップ2:
次にケージから外に出る時間を作ります。はじめは行動できる範囲を狭く設定し(畳1~2畳分程度)、そこをサークルで囲い、その中の適当と思う場所にトイレシート6枚程度を敷き詰めておきます。この時、トイレシートだけでは足が滑ってしまうので、滑り止め代わりにシートの下に新聞紙を敷いておくといいでしょう。最初の段階ではその中で遊ばせる時間も短めにします。様子を見て大丈夫そうであれば、徐々に行動できる範囲を広くし、遊ぶ時間も長くしていきます。敷くトイレシートの数は同じく6枚程度です。もし、トイレの場所を迷っている、別な場所でしようとしているような素振りが見られたなら、トイレシートへと誘導してあげてください。どうしてもシートとは違う場所でトイレをしてしまう場合には、シートをその場所に移動するようにします。つまり、人間の都合や思い込みでトイレの場所を決めるのではなく、そのコに合わせてあげるということです。または、違う場所でトイレをしそうになったら、すかさずお尻の下にシートを敷いてあげるというのもいいでしょう。そうすることによって失敗を防ぐと共に、シート自体をトイレだと覚えさせることができます。
ステップ3:
100%トイレシートでトイレができようになったら、囲ってあったサークルを取り払って部屋の中で自由にさせてみます。しかし、過信は禁物です。子犬の行動をちゃんと観察してください。もし失敗するようであれば、前の段階に戻ってトレーニングをし直します。
私の経験上、大型犬より小型犬の方がトイレトレーニングには根気がいるように感じます。更には、チワワは超小型犬ゆえに繊細な面があり、より気配りと根気が必要と言えるでしょう。トイレをマスターするまではマン・ツー・マンの姿勢で臨むのがベストだと思います。
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